森とつながる里山トレッキング

美しい里山風景にかこまれた白樺湖周辺は、初心者や子ども連れでも参加しやすいトレッキングコースが充実しています。湖から森を抜けてなだらかな山道へ。春から秋のグリーンシーズン、事前の準備をしっかり整えて、心地よい山歩きに出かけましょう。

取材協力:NPO法人長野県トレッキング協会


美しい里山風景にかこまれた白樺湖周辺は、初心者や子ども連れでも参加しやすいトレッキングコースが充実しています。湖から森を抜けてなだらかな山道へ。春から秋のグリーンシーズン、事前の準備をしっかり整えて、心地よい山歩きに出かけましょう。


美しい里山風景にかこまれた白樺湖周辺は、初心者や子ども連れでも参加しやすいトレッキングコースが充実しています。湖から森を抜けてなだらかな山道へ。春から秋のグリーンシーズン、事前の準備をしっかり整えて、心地よい山歩きに出かけましょう。


登山ではなく山歩きの場合、スニーカーでも大丈夫ですが、岩場や傾斜がある道なら登山靴がおすすめ。持ち物は、地図・雨具が必需品。ほかに、スポーツドリンクや帽子、虫除け、飴やおにぎりなどカロリー補給できる軽食もあると安心です。

白樺湖周辺でトレッキングを楽しもう!

2014年9月初旬、池の平ホテル主催で開かれたトレッキングツアーの様子と行程をご案内します。 ※このツアーは双子山登山が含まれているため、初心者向けコースではありますが、ガイド付きで開催されています。個人でお出かけの場合、周辺情報や天候に十分注意して、事前の調査と準備の上、お出かけください。

池の平ホテルから蓼科ビーナスラインを抜け、車で20分ほどの大河原峠の駐車場へ。ここですでに標高は2093m。ここから、標高2224m・北八ヶ岳最北に位置する双子山の山頂を目指します。高山植物の群生地を抜け、左右にクマザサが生える尾根道をゆっくりと登って約30分で山頂に到着。スタート地点からすでに標高が高いため、眼下には絶景が広がり、大岳、北横岳、蓼科山を見渡すことができます。なだらかな草原が広がる山頂では、記念撮影をしたり、チョコレートを食べたり、ウイスキーで登頂の喜びを分かち合ったりと、参加者各々、心地よい時間を過ごしました。

大河原峠でストレッチをしてから出発。 クマザサの道を抜けて山頂へ

約30分で山頂へ。 草原が広がる山頂で近くの山々を見渡すことができます。


ふたつ目のビューポイントである双子池には岩が点在する草原地帯、コメツガやシラビソの森を抜けて進んでいきます。北八ヶ岳の登山道は、進むほどに景色が変化することも魅力。左右に枝を伸ばしたカラマツの巨木を見つけて、木登りに挑戦する参加者の姿も。森を抜け切ると視界が開けて、草原のなかに双子池が現れます。男女の悲恋の伝説が残るこの池は、底まで透き通った水に満たされ、空の色を映して青く輝く姿が印象的です。昼食は池畔近くの広場にて。水面を撫でる風が汗までさらってくれるようです。

神秘的なカラマツ林を進み、 山頂からさらに30ほどで双子池に到着

雄池・雌池の一対からなる双子池。 池のほとりの静かな風情が楽しめます。

原生林を抜けて亀甲池へ

最後のビューポイントである亀甲池までは、原生林と苔の道が続きます。倒れた古木・岩の上には隙間なく苔が生え、そこから新たな木が根を伸ばしており、朽ちては再生していく森の営みを身近に感じることができます。森を抜けてたどり着く亀甲池は、池底に亀甲模様が見られることからその名がついたと言われています。双子池とはまた違った趣の池を眺め、森、クマザサ群生地、高山植物の群生地を抜け、その後、スタート地点と同じ大河原峠に戻り、ツアーはゴールを迎えました。全長約5km。少しずつ何度も休憩を取り、会話を楽しみ、景色をゆっくり眺めながらのトレッキングは、自然と一体となれる貴重な時間を約束してくれます。

双子池から亀甲池までは、 倒れた古木や岩が点在する原生林の道がつづきます。

緑色の池面に荒々しい岩が突き立つ亀甲池。 浅いため、池底の亀甲模様を見ることも。

原生林の小径にある「苔」をたずねて

標高2040mの双子池から、標高2030mの亀甲池へ向かう途中に「原生林の小径」が現れます。場所は、双子池を雄池・雌池の順でめぐり、雌池を半周した辺りから登山道へと向かったその先。雌池から60mほど登っていくその小径は、針葉樹林に包まれ、足下の岩場にはびっしりと苔が覆っています。双子山周辺の北八ヶ岳一帯は、原生林とともに貴重な苔が生息することでも知られるスポット。散策の途中に、その小さな生態系の一つひとつに目を凝らして、観察してみるのもおすすめです。足下は滑りやすいので注意しながら、苔の森の神秘的な空間を体験してみませんか。